sawfishの特徴

みなさんがウィンドウマネージャ、あるいはデスクトップ環境に一番 求めるものは何でしょうか? 筆者の場合は動作が軽いこと、操作性、拡張性 が高く、カスタマイズもしやすいこと、見た目がかっこよいことなどです。

もちろん sawfish はこういった条件を十分に満足し、なおかつこれ までのウィンドウマネージャにはない、数々の機能や新しいコンセプトが盛 り込まれています。

sawfish の特徴をいくつかあげてみます。

デスクトップの見た目は Enlightenment に似ていて [5]、 Enlightenment や他の人気のあるウィンドウマネージャが持っているテーマ 機能やセッション管理、GUI ツールでのカスタマイズ、GNOME への対応といっ た基本的な機能はすべて持っています。

sawfish が他のウィンドウマネージャと違うのは作者の John Harper のポリシーからウィンドウマネージャの機能をウィンドウの管理にまつわる ものにしぼっていることです。外部プログラムで実装可能な機能は省略され ています。例えば背景の設定機能やページャ、アイコン表示といったものは わざと実装されていません。

そのせいか同じように完全なテーマ機能を持つ Enlightenmentと比べ ても非常にコンパクトでメモリもそれほど消費しませんし、テーマファイル も小さいです。一方、rep による拡張性も備えていて sawfish の機能を自 由に追加、変更することができます。

また拡張性がすぐれていてもその方法が難しかったら困りますが、今 まではカスタマイズするということイコール設定ファイルをいろいろといじ る、ということもよくありました。しかし、sawfish の場合はカスタマイズ も標準で配布に含まれる sawfish-ui プログラムを使えば簡単ですし、これ だけでも十分に高度な設定をすることが可能です。

さらには、sawfish はウィンドウを個々あるいはグループで管理する ことができるので、このアプリケーションにはこのテーマ、このウィンドウ にはフレームをつけないといった設定をすることもすぐにできます。

注意

[1]

テーマ機能をもつ、とされるウィンドウマネージャ は多数ありますが、その中には背景やタイトルバーの色を変えるというだ けにとどまっているものが多くある気がするのは筆者だけでしょうか :-P Enlightenment や Icewm、sawfish などはそれにとどまらず、ウィンドウ フレームの外観を完全にコントロールできます。

[2]

v0.34現在では sawfish は WM SPEC 1.0 に準拠したためにKDEでも利用することができます。

[3]

最近大幅にカス タマイズプログラムの見た目が変りさらに使いやすくなりました。

[4]

ルートメニューが 表示されたりするときは少しタイムラグがありますが、これは普段動作し ていない rep インタプリタが起動するのに時間がかかるためです。もちろ ん常時起動しておくようにすることでこのタイムラグをなくすこともでき ます。

[5]

実は sawfish には Enlightenment から移植された、まっ たく同じ名前、外観のテーマも多数あります。